一級建築士事務所 アーキラボ・ティアンドエム
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札幌版次世代住宅基準 のつづき(3)
前回のブログで「投資回収年数」のことを書きました。断熱・気密に掛けたお金は何年で回収できるか。あっという間には回収できないということ。

それじゃあ意味ないから断熱・気密にお金かけなくていいや。

と思ってしまった方もいるでしょうか??

それは大間違いでして。

ヒートショックという言葉を聞いたことはありますか? 急激な温度変化が身体に及ぼす影響のことで、これで亡くなる方が年間に1万人以上、交通事故で亡くなる方の2倍以上いるそうです。冬の入浴後、寒い脱衣室や廊下に出るときなどに起こりやすいと言われています。しっかり断熱された住宅は室内における温度差がありませんから、住宅内でのヒートショックの予防につながります。

寒冷地ならではの風景に見られる「つらら」。太陽の熱が屋根の雪を解かしてできる場合もありますが、室内で暖房された空気が十分に断熱されていない屋根から逃げ、それによって屋根の雪が解けて作られている場合も多いです。室内を暖めるための暖房で雪まで解かす必要もないわけでして、雪を解かしている熱がもったいないわけでして、その熱のために支払う暖房代も安くはないわけでして・・・。

また、オール電化住宅に住んでいながら「寒いから」ということでポータブルの石油ストーブを併用している人や、暖房していても夕方は電気カーペットから離れられないと言う人の声も耳にします。せっかく新しく建てた住まいなのに基本的な快適性が得られないのは残念です。

札幌版次世代住宅基準で示された投資回収年数はあくまで「現状のままの灯油価格だったら・・・」「灯油価格が今の2倍になったら・・・」という「実際はどうなるか分からないけど例えてみると・・・」という数値上の目安でしかなく、「今より心地よく快適に過ごすための支出」という観点は含まれていません。

わたしたちのアトリエATMNが竣工してもう少しで3ヵ月。この3ヵ月で実感できたことを次に書きたいと思います。