一級建築士事務所 アーキラボ・ティアンドエム
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札幌版次世代住宅基準 のつづき
来年度(といってもあと1ヵ月後)から運用が開始される札幌版次世代住宅基準、この中でQ値やC値以外にわたしたちが注目したこと。

それはスペックを上げたときに増える施主の負担額も提示されていたことでした。

新築一戸建ての標準モデル延床面積125.9平方メートル(38坪)、3人家族の世帯で、ミニマムレベル(北方型住宅レベル、これは北海道の住宅だと割りと到達できるレベルだと思います)を0としたときに、ベーシックレベルに性能を上げると建設費は100万円程度の増加、投資回収年数は50年、スタンダードレベルにすると335万円増、投資回収年数は77年など、とても分かりやすく示されています。

わたしたちはBIS(断熱施工技術者)資格を保有していることもあり、補助金についての問い合わせを受けることが多々あります。建設費の一部に補助を受けられると、施主の負担が軽減され住宅ローンの額も減らすことができると考えられますから、当然受けられる補助は受けたいですよね。実際にわたしたちも木のいえ整備促進事業の補助を受けていますので、すごくよくわかります。

でも、これらの補助を受けるためには、その要件に見合った施工を施すための材料費、施工費が発生しますので、補助金額を上回る施主負担が発生するわけです。

例えば今回の札幌版次世代住宅基準では、50万円から250万円くらいの補助が受けられるのではないかと言われていますが、250万円の補助を受けられると予想されるトップランナー基準にするためには720万円ほどの負担増と試算されていますので470万円は施主の負担が増えることになります。

(3/1追記。補助金額はトップランナー基準で200万円、それ以下のレベルで50万円とのことです)

予算は限られています。その中で470万円の負担増・・・。ラクなことではありません。わたしたちのアトリエATMNだって、もっともっと予算があれば、もっともっと壁(断熱層)を厚くしたかった・・・、もっともっと窓にもお金を掛けたかった・・・。でも、このくらいのスペック(Q値1.0、C値0.3)がわたしたちの総予算における断熱・気密化費用としてはギリギリのバランスでした。

「快適」な状況って、デザインの満足度、高断熱・高気密化はもちろん、住まいに掛ける費用が自分の納得いくバランスで支出されたかってことも大いに関係していると思います。「断熱を削って暖房費すごいけど、広いから満足」と思う人もいるかもしれないし、「ちょっと狭くなったけど、暖かいしこれで十分」と思う人もいるでしょう。それぞれの希望の優先順位を見つけながら、その人にとってバランスのいい次世代住宅の設計提案をしていきたいなぁと思っています。

あ、この話、明日も続きます。久しぶりに真剣なことを書いているので、書きたいことがいっぱい。ご容赦ください。